ズエット・ティ・ドゥオン劇場に足を踏み入れると、懐かしく魅力的で神秘的な空間に迷い込んだかのようです。ミンマン王の治世下の１８２６年頃に建てられ、皇帝や皇族たち、官僚、国賓が宮廷のトゥオンを鑑賞するための専用の場所として使用されました。多くの歴史的な浮き沈みを経て、ズエット・ティ・ドゥオン劇場は今もその独特の建築を残しており、グエン王朝の職人の才能と洗練の証となっています。

ズエット・ティ・ドゥオンは１万１７４０平方メートルの敷地（庭園と劇場の面積１１８２平方メートルを含む）に建てられた２階建ての伝統的な高床式住宅です。１階は皇帝や皇族、官僚らがトゥオンを鑑賞する場所で、２階は宮殿の侍女や宦官が立って観る場所です。

ズエット・ティ・ドゥオン劇場の特徴は自然の音響システムです。巧みな設計により、舞台からの音響は完璧に増幅され、観客はトゥオンのすべての歌と踊りを十分に楽しむことができます。 

２００年近くにわたり、ズエット・ティ・ドゥオン劇場は時代と戦争という困難な課題に直面してきました。この場所はかつて大きな被害を受け、その貴重な歴史的および文化的価値を保存するために多くの修復と修理を余儀なくされました。１９９５年から２００２年までの期間は、ズエット・ティ・ドゥオン劇場の修復における重要な転換点となりました。考古学者、建築家、職人らの努力により、劇場は完全に修復され、その独特の建築を復元し、元の素晴らしい外観を取り戻しました。